よく路地の写真を撮る人っているけど、雑居ビル群を撮る人ってあんまりみない。
それはおそらく、路地は一本の道筋が写真を整理してくれることでバランスが取りやすいが、雑居ビルとなるとどう切り取り何を主体にしていいのか難しいからなんじゃないかなって思う。わからないけど。
でも雑居ビルを見下ろすこの景色ってのは明らかに日本特有のものであり、一つの主体として完成しているのではないかと思う。
今でこそ見慣れてしまったこの景色だけど、この密度、ごちゃつき感は東京ならではの景色で、田舎に住んでいた時に感じていた東京っぽさみたいなものに、潜在的に魅せられて撮ったのかもしれない。
というのはもう見慣れたこの景色に、どこか懐かしさみたいなものを感じたからだ。
うまく説明できなんだけど。
その時感じたものを現像の色合いで表現してみた。