このGWを挟み、先日「両極端」という記事で書いたフィルムの現像が上がってきた。
今回の現像はここで知り合いお礼にと頂いたとても大切なフィルムだ。
それでいて謎が多いRollei Digibase CN200 PROというフィルムが混ざっている。
それ故に仕上がりを楽しみにしていた。
GWが突入する前からワクワクしていたくらいに。
そして結果からいうと散々だった 笑
一つは自分の腕の問題。(要するに大したものが写ってなかった。反省)
もう一つは怪奇なフィルムによるクセの問題だ。
上記の記事に書いたように、このフィルムは凄く謎が多く、それが原因でラボ屋次第ではまともな現像はされないとのことだった。
その事はここにも書いてある。
で、上がってきたのが案の定。
もの凄く赤い。
これが何故この様な状態で上がってくるかも、届く前から調べてたのである程度想像はついていた。要するにネガフィルムは元々反転画像で、本来ならネガは赤みが強い。
そのまま写真に撮ると極端に言えばこの様な感じだ。(デジタル撮影を反転している)
要するにネガで明るい部分は暗くなるし、寒色は暖色に変わる。
今回上がってきたネガはというと全体的に青い。そういう仕様のフィルムだ。
それによって必然的に反対色の赤が主体の色となるのだ。
極端にいうとこんな色。
ただ、だから反対色でデータが上がってくるというのはラボ屋のさじ加減で、実際はセピアカラーのように全体に色が失われているわけではないので、現像段階ではフィルム自体どこのラボ屋でもこういう風に上がり、それをデータ化する時に補正をするかどうかにかかってきそうだ。要するに機械任せだとこうなる。
デジカメでいうホワイトバランスが振り切っている状態とみていいと思う。
なので自分で補正を試みる。せっかく頂いた大切なフィルムだしね。
しかし、さらにこのCN200というフィルムはそれだけではなく、取り扱いがデリケートだ。どの段階でそうさせたのかはよく分からないが、1コマ目、2コマ目と後半の色味が違う。
その様子がこちら。
こちらはネガをライトボックスに置き撮影したもの。同じフィルムとは思えないぐらい色が違うのだ。
下の2コマの色味が本来の色味でグレーがかっていて、最初の1コマ目はもの凄く青く、2コマ目の半分までが青、そこから次第にグレーに落ちているとう印象だ。
このフィルムは8度管理推奨とされていてそのせいかもしれないし、もしかしたらラボ屋の取り扱いによるものかもしれないし、定かではない。
(このフィルムは室内で装着し、像も残っているので感光ではないと思う。)
これによって補正は難儀した。
結論からいうと1コマ目はどうにもならない。(フォトショップで加工するなら別かもだけど)ホワイトバランスが右と左で違うのが主な理由だ。
※自論だけど加工と現像は別で、普段の撮影データの写真をいじるのはライトルーム内に留めると決めている。
そしてこちらが自分でライトルーム内で補正して出てきた絵。
なかなか味わい深いものとなった。
あの色の中にここまで色が残っていたのだから、ラボ屋の現像に対する思い入れはその程度なのだろう。
※それでも安く上げてくれるラボ屋はありがたいと思っているので、要するにどう使い分けるかだ。
だけどだ。だとしたらフィルムの色味とはなんだろう。
この仕上げだっておそらく色々なラボ屋に出せば、出した数だけ仕上がりが違うはずだ。現にフィルム写真を撮っている知人たちは、各自好きなラボ屋を知っていて、そこに出す。
どこに出しても同じ仕上がりであれば、安いに越したことはないわけで。
自分でももっとコントラストを上げようとすれば当然上がるし、彩度もしかりで、ある程度自在に調整は可能だ。
結局の所、手焼きで印画紙に露光し、化学変化によって色を再現させるような場所でなければ、現像したフィルムはデジタルで調整されるわけで、本来のフィルムの色味は分からない。更に言うならその手焼きですら「覆い焼き」や「焼き込み」といった熟練の作業によって色味は変わる。そう考えたら現像に出してデータ化された写真というのは最終的に誰が色味を補正するか(大半は機械任せ)というだけで、ラボ屋に任せても納得いかないのなら自分でやったっていいのではとすら思うし、デジタルのRAW現像となんら変わらないのかもしれない。じゃー正解はなんだ?
もちろん元となるフィルム次第でその仕上がりは左右されるだろうし、フィルムの風合いというのはデジタルで再現できないほどの色気もある。
なので自分は今後、上がってきたフィルムデータに対し、再補正というのも有りかなと思っている。
それを踏まえて今後もフィルムを楽しみたいと思う。