キャンプというのは自然の中に身を置き、慣れすぎた便利さから離れ、その不自由の中でご飯を作ったりして楽しむ。そういうものだと思うし、そこに醍醐味とロマンがある。
決して数百キロ離れた所にマイ椅子を持って、わざわざ新幹線で向うものではない。
そんな事を思いながら仙台行きの新幹線に列を作りながら待っていたのは、この間の夏休みだ。マイ椅子をリュックに忍ばせているのにも関わらず、ちゃんと指定席をとっている自分に大人を感じた。
なぜそんなことになったのかというと、前にもさらっと書いたけど、学生時代からずっと張り合っていた友人に久しぶりに会いたいという旨を伝えた所、聞いたこともない仙台の山に呼びつけられたからだ。
山の麓でガチ料理しようぜって言ってきた。そして早朝出た俺に向かって昼は時間もないから各自でとか言い放った。待ち合わせ時間は昼少し前だったのにもかかわらずだ。
そんなこんなで2泊3日のガチ料理キャンプが始まったのである。
彼は数年前からキャンプにハマっていて、テントはコールマンのツールーム、前室も広くキッチン周りも充実していた。
まずは初日ついて早々にベーコンを仕込み始めた。
そしてできたベーコンは悔しいけれど美味い。
そんでもって夜ご飯のドライカレーを作り出す。
ついでにアヒージョだ。
これが彼のターン。
俺は翌日の昼夜を任された。
続く。