渡鹿野島最終話。
前回の話ではハートの左側を攻めて、再び中心地に戻ってきたところまで。
小さな島とはいえ、建物の密集地は本当一部分で、見て回るのにさほど時間がかからない。
のんびり歩いていたはずなのに、半分を攻めても二時間も経ってない。
場所は再び中心地。目の前を黒猫が横切ったが、フィルム故にとっさにシャッターを切った1枚はこんなもの。そこから次に島の右側を見て回った。
穴があったら入れたくなる。人の性だろうか。
さてさて、仮にも少し前まで売春の島と呼ばれていたはずなのに、町にあまりにも歓楽の匂いがしないことに気づいただろうか?実は自分も漠然とそういった背徳的遺産なんかがあるのかなって思ってたけど、そういったものは以前からなかったっぽい。
ではどういう場所でそれは行われていたのか。
実はこの島には至る所にアパートが存在している。普通に考えたら島に賃貸物件などはほとんど需要がなく、島でそれを必要とするのは外から来る人間が、仮にでもそこに住む理由がある時だ。どうやらこの島での春は、女の子たちが住むアパートで売られていたらしく、錆びついた歓楽街がない代わりにこの様な朽ちた廃アパートがあちらこちらで見かけられた。
アパート表側に回ってみたら逆にちょっと欲しいって思える、レトロなブラウン管テレビや、店をたたんで邪魔になったであろう看板が置き去りにされていたり。
島右側はあまり人が住んでいないのかもしれない。
アパートの他にも誰がどういうカタチで住んでいたか分からない家屋も廃墟として多く見受けられた。
もはや骨組みしか残ってない何かの跡地や、
家族で住むには狭そうな平屋や、
建築法的に大丈夫なのか、縦に増築されて増してるのは怪しさばかりの建物や、
倒れてきた訳ではなさそうで、それでも木がのしかかる家屋など。
そういった色々な建物を見ながら奥に進むと右側ハート先端の森っぽい道に続く道に出る。その先は特に面白そうなものも無さそうだったのでここで引き返した。
これで大体回ったことに満足し、一日3本しかない帰りのバスの時間にはまだ早いけど、島を離れて伊勢に向かうことを決断。 最後にひと気の全く無い神社を軽く参拝し船着き場へ。
一応この島の名誉の為に言っておくと、少なからずちゃんと人はいるよ。少ないだけで。
帰りの船には人が乗っていた。常連の釣り客だろう。
結局この島では誰とも会話しなかったな。挨拶程度はしたけれど。
そんな感じで凄く時間をかけて行ってきた渡鹿野島の滞在時間は4時間くらいだろうか。
今も売春が行われているのかはさっぱり分からないけど、この島に今後行くことはもうないだろう。
ちなみにこの島に関してはこんな本が出ている。
ここで何が行われていたのか、渡鹿野島裏社会の答え合わせ的ルポ本。
当ブログはただの写真ブログなので、興味ある人は見てみるといいかも。
そしてこちら渡鹿野島は関係ないが、渡鹿野島等の風俗史が好きな人は読んでみてもいいかも。 まずタイトルがストレートでいい。デリヘルドライバーがなぜドライバーをしているかという、複数人のドライバーの人生を取材した本。レビュー評価も高め。
以上、渡鹿野島に行ってきた。
終わり
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