前回の日記で不思議な国に迷い込んだってところまで書いたと思う。
なんかもったいぶる様な終わり方で申し訳ないなと思ったんだけど、理由があった。記事を書いたものの手違いで写真が手元になかったのだ。
ただそれだけ。
さてさて何が不思議な国で何が最大の運だったのか。
実は東尋坊に向かう途中、おかしな光景を目にした。それにもの凄く引き寄せられ、引き返した。
なんと遊園地を解体している最中だったのだ。
ショベルカーが、元々は観覧車であっただろう鉄くずを音を立てながら引きずり回していた。
そんなタイミングって滅多に出くわす事じゃない。
本当たまたまだ。何とも言えない、二度と見れない光景だと思いながら遠巻きに写真を撮っていた。
でもおねだりしたんだ。是非とも破壊真っ最中の遊具を写真に撮らせてくれと。
作業員はなんでこんなものを撮るんだ?みたいな拍子抜けた顔をしていたが、苦笑いしながらOKをくれた。ありがたい。おかげで後ろめたさゼロ撮影だ。
ちなみに不思議な国とはこの施設の名前だ。
その名もワンダーランド。
最後の方は何の遊具も動いていなかったらしく、生きた廃墟だったそう。
とってもワンダーだったよ。入り口で出迎えていたのはこんなチープなミッキーなのだから。こんなおかしな遊園地だ。そりゃ廃園にもなるよ。
いつから存在していて、どのくらいワンダーを保てていたのか分からないけど、今はところどころが痛み、ワンダー感も増している。
重機と元観覧車の競演。
こんな景色だと目を閉じても子供達が楽しそうに遊んでいた姿は浮かんでこない。
建物をくぐると奥側にはゴーカートやセグウェイ、レーシングカート等、広めの施設があったみたいだ。
その建物の中。メダルゲーム等ゲームセンター的な立ち位置だったようだ。今はあちらこちらに高電圧危険の文字が痛々しい。
こちらは建物の反対側。そこそこ広めのスペースと散乱するワンダーの残骸。
福井と言えば恐竜。今は足だけが立派に残っている。
本体はどこへいった。
と思ったらここにいた。白亜紀を耐え忍ぶも今ここに尽きた。
ゴーカート置き場。ここから見ると唯一マトモな気がする。
そして実はこのワンダーランド。ただワンダーなだけではないようだ。
運営していた者の頭もワンダーなんだろうけど、解体業者のいたずら心もワンダーだ。奥の建物にあったと思われるお化け屋敷の人形を工事の案内看板と組み合わせるというワンダーっぷり。
実はこの地、一旦東尋坊へ向かい再び戻ってきた。
あまりの魅力とこの世界観は東尋坊滞在時間を短縮させる程のものだった。
西日が綺麗と有名な東尋坊よりも、西日に照らされた廃遊具が見たかった。
廃物は生物で明日も同じ形とは限らない。ここに限ってはリアルタイムで解体中だ。もうメリーゴーランドもないかもしれない。
そんな想いを載せながら撮った写真。
似たような写真も多いけど、他にも数点載せておくので良かったらどうぞ。
今思えば、広くひとけのない静かな敷地に、重機の音だけが鳴り響き、その重機とカメラを持ったいいおっさんだけが共存していたというこの空間こそが、ワンダーだったかもしれない。
ワンダーランド終わり。
Photo:PENTAX K1 & MX