先日に続き鶴見線の事。
この鶴見線、都心のローカル線ということで、サイトを検索するとそこそこの情報が得られる。一部のニッチなマニアにとっては見どころの多い人気路線なのだろう。
だが当ブログもなかなかニッチなもので、万人に好まれる写真は多くない。
今日紹介する武蔵白石駅も、なんで降りたのと言われかねないマイナー駅だ。
なぜこの駅で降りたのかと聞かれたら、なんとなく降りたとしか答えられない。
それくらいとりわけ何もないのだ。でも自分の写真は主にスナップ。 何もないから撮れないわけでもなく、無でもない限り何かしらは視界に入るわけで。
そもそもこの鶴見線は京浜工業地帯へ向かう短い路線。要するに基本的にはその工場へ向かう労働者を乗せるための通勤車両なのだ。なのでこの沿線にランドマーク的なものは多くは存在しないはずだ。
ただこの写真の野良猫がこの武蔵白石の運命を大きく分けた。
この一切人に愛想を振りまかない猫にレンズを向けていると背後に人影が。
この辺にマッチしそうな格好をした優しそうなおっちゃんだ。どうやらこの猫に毎日エサを上げているらしく、そんな些細な会話から、少しずつ仲良くなって職場を案内してくれるまでになった。
もちろん職場はこの工業地帯内だ。
案内されたのはこの京浜工業地帯を走る運河。
仕事の内容は説明されたけどピンと来なかった。でも船を扱う仕事のようだった。
今日は警戒船というのを走らせるようで。
仕事仲間まで紹介してくれた。一般人が入らないこんな場所まで来たこっちを煙たがりもしないで受け入れてくれた男気のある人だ。
写真を撮ること、ブログに乗せる可能性があることも了承の上レンズを向けるも恥ずかしそうだ。
更には船内まで案内してくれた。
布団はもちろんのこと、生活に必要最低限の色んなものが置かれていて、どことなく懐かしいいい匂いがした。
多少なりと危険や責任も伴うであろうこの場所に、見ず知らずの俺を招いてくれたことには本当に感謝した。そんな心地よさを胸に30分くらいだろうか、色んな話をしてこの場を後にした。
帰り際にもう一度あった、この愛想のない野良猫。
でもこいつのおかげで貴重な体験が出来た。
次の駅へ続く。