これまた三重に行った時の話。
三重という土地は自分には全く縁のない場所だし、行こうと決めたのも直前だったんだけど、実際に行ってみるとなかなかな縁を感じた。
その縁を繋いでくれたのはとあるゲストハウス。
ゲストハウスって初めて泊まってみたんだけど(ホテルが取れなくて)、そのゲストハウスの引きがまず良かった。
またそのうちそのゲストハウスの事は書こうと思うんだけど、そのゲストハウスにあった手作りの近隣飲食店ガイド本。
その本の数あるお店の中から選んだ一つ。
伊勢のまんぷく食堂。ここが美味しかった。
飾りっ気のない大衆食堂なんだけどね。
名物なのかな?からあげ丼。伊勢のうどんとのセットで頼んだ。
まず伊勢うどんという、賛否両論あるらしいうどん。
いわゆるうどんのコシというものを取っ払ったような麺で、うどん派からしたらこんなのはうどんじゃねぇ!って意見もあるんだとか。
だけど、うどんより蕎麦派の俺としてはそのコシが好きじゃなくて、うどんで一番好きなのは煮込みだったりするので、そんな俺の口には凄く合った。むしろ今まで食べた中でもかなり印象がいい。それを東海風味のつゆ、ぶっかけ的な食べ方で頂いた。
唯一自分用土産に買ったくらい伊勢うどんは好印象。
そしてからあげ丼。いわゆるB級グルメ的なのを想像していたというか、味が想像できそうな見た目だったんだけど、いい意味で裏切られた。見た目ほどクドくなくて、わりとサラサラって食べれる。これは本当うまかった。近所に欲しい。
そしてそれのどこが縁なのかって話なんだけど、気さくな店主と会話をしていたら、俺の地元北海道、北見の友人とつながっていたのだ。まさか遠く離れた三重という地で、友達の話になるとは思わなかった。
気さくで性格も◎な店主は、伊勢神宮の周り方を丁寧に書いてくれた。
(頼んでもいないのに。)
おかげで凄くスマートに(伊勢人的に)回れたと思う。
それとゲストハウスが繋いでくれたもう一つの類。
チェックアウト時にあそこの駄菓子屋さん、怪しげだから行ってみてよって。
いやいや、俺はこれから伊勢神宮を回るのだよ。
そんな神宮とは逆の方向のただの駄菓子屋にわざわざ行くかよ!
行ってみた。
ナニコレ。超怪しい。いや、むしろどこが駄菓子屋やねん!!
もしかしたらゲストハウスの人は昔駄菓子屋だった古い記憶を俺に押し付けたのかもしれない。
近づいていいのか分からないこの入口。爺さんが横になりながらテレビを観ているかもしれない。その油断しビクついた背中を目撃し、謝らざるを得ないのではないか。そんな想像を掻き立てながら引き戸を開けてみた。
駄菓子屋だった。
ナニコレ。営業してたよ。
別に駄菓子欲しさに近づいた訳ではないなんて言えない。
用なんて全く無かったのでどうしようかと思ったんだけど、店主(爺さん)の方から話しかけてきた。
「PENTAXかい。」って。
え。
爺さんPENTAXユーザーだった。
K-3を使ってるらしい。まさかのPENTAXで、デジタルユーザー。
伊勢神宮に午前中からインする予定だったんだけど、何故か駄菓子屋で爺さんと1時間は話し込んでた。こんなお店だけど子どもたちにとっては昔と変わらず、楽しみの場なのだそうだ。そんな子どもたちを撮った写真とかを奥から引っ張り出してきて話に夢中になった。
まさかパッと見、駄菓子屋どころか物置っぽいこのお店で、PENTAXを語るだなんて思わなかったけど、店を出た時の気分は良かった。
そして金の延べ棒チョコとチョコどら焼き(合計金額80円)を持って伊勢神宮に向かったのだ。
そんななんか不思議な縁と類。
そして伊勢の人に地元愛の強さと人当たりの良さを感じつつ、俺も三重が好きになった。