うだうだし過ぎて、なんだかんだ日が落ちたツアーその後後編。
ホテルの外に出て、たむろしていたトゥクトゥクのおじさんに駅に連れて行ってくれと話しかける。駅名を言っただけだけど。相変わらずエロいチラシを見せてきた。トゥクトゥクで連れてかれるエロい店はろくな事がないって聞いた事があった。そこじゃないよ、おっちゃん。駅だよ駅。そしたら断られた。
仕方ない。歩くか。
辺りはもう暗くなっていて、そのせいかバンコク特有の車の多さが一層目につくようになった。
なんかこの辺は新宿っぽい。歩く度に新宿駅甲州街道付近に似てるなって思った。タイ特有の配色の建物が少なく、建築物も近代的なのだ。ただ時々歩道を野良犬が歩いてたり、バイクも歩道を走ってたり、おかんと幼子が物乞いしてたりで、やっぱりタイなのだと再認識させられる。
右を向くとISETANがあり、コナン君が上映されてるんだからなおさら惑わされる。
遊歩道から見るとこんな感じ。こんなに道路が広くても常に渋滞してる。
この大きい通りの交差点を左に曲がって少し歩くとチットロムという駅がある。あと400メートルくらいの距離だろうか。それでもトゥクトゥクに乗りたくて再度その辺のおっちゃんに声をかけてみた。基本タイはタクシーが安い。初乗り35バーツ(日本円で100円ちょっと)なんだけど、どうしてもトゥクトゥクに乗りたかった。日本でも度々ある排ガス規制のせいで、今現行のトゥクトゥク以降もう生産出来ないのだ。すぐそこまでなんだから100バーツで乗せてよって言ってみた。本当すぐそこだ。それでも150バーツとか言ってくるからタイクオリティだ。じゃーあっちのおっちゃんに頼むからいいよって言ったら乗せてくれた。
タイのトゥクトゥクは、車体が小さい分小回りがきく。そのせいだろうか。我先にと言わんばかりに爆走する。スーパーマリオでスターを取ったような気分になる。この旅を通して何度か乗ったけど好きだなって思った。
ただこのおっちゃん、勢いが余ったのか俺の盛り上がりを汲み取ったのか行きたい駅を軽く通り越した。結局400メートルくらい歩いて戻った。ばかやろう。
今夜の目的地はここだ。知る人ぞ知るタイの夜遊びスポットだ。合法なのか非合法なのかよく分からないけど、タイ特有の女遊びが出来る場所の一つ。ディープスポット好きとしては、この地は訪れない訳にはいかないって思ってた。これらも変わりゆく時代の流れでそのうち消える文化だと思う。
とにかくネオンが派手。所々で日本語が見られるのは昔から日本人がここで金煮物を言わせて遊んでいるからだ。こういう場所を国が黙認しているのは、大事な観光収入となっているからという話もある。歩いているとかわいいねーちゃん、工事済みねーちゃんから声をかけられる。
一通り色街の空気に触れ、ホテルに戻ってみたらケーキが置いてあった。
ちょくちょく補充やらなんやらで、ルームサービスが来てたのはこのサプライズのため、不在の確認をしてたんだなって納得した。
そう、先月誕生日だったのである。ケーキの横には、手紙が添えてあり、安っぽい定型文ではなく、わりと丁寧なメッセージが書かれていた。夜な夜な一人でろうそくに火を付け、写真を撮ってひと思いにろうそくの火を消した。
部屋の中は真っ暗になった。
ツアーその後編終わり