さんざん焦らしてごめんなさい。
そろそろクレームが来そう、いやむしろさほど気にされてないかもしれないけれど、タウシュベツ川橋梁に行ってきた。
タウシュベツ川橋梁、どこにあるか分かるかな?そう、我が出身地北海道。GWという観光シーズンに北海道に帰るのは初めて。
昨日の写真見てもらうと分かるけど、北海道って一言で言っても、表情は実にさまざま。のどかな場所から、歓楽街から、昨日のような日本からかけ離れた様な場所まで。改めて帰ってみて、北海道って壮大だなって思った。昨日の写真だってただのその辺の道だもの。
たどり着いたその先は。(Pentax FA 28-80mm F3.5-5.6) - 日々撮り散らかし。
さて、タウシュベツ川橋梁とは?っていう知らない方に軽く説明すると、
昭和14年に川に国鉄士幌線用にかけられた橋なんだけど、昭和30年、その場所に発電用ダム湖(糠平湖)が建設され、橋梁周辺は湖底に沈むことになる(元々の士幌線は違う場所に移動するも昭和62年廃線)。
糠平湖は発電用人造湖なので、季節や使用電力により水位が変化。
それにより水が雪となっている冬から、それらが溶けて流れ出す5月の中旬くらいまでしか姿を現さない幻の橋と呼ばれている。
この橋までの道は、上記写真のように水位が上がっている時に流れ出た流木が散乱し、床はぬかるみとても歩きにくい。かつ、今は途中までも車では行くことが出来ないので、林道を4km近く歩くことになる。そしてこの辺りは熊の生息地域なので、ツアーでいくことをおすすめする。ちなみにこの林道は人が歩くために拓かれている訳ではなく士幌線跡地だ。
上に書いた林道を抜けると水が貯まる前の糠平湖にたどり着く。
写真では分かりづらいかもしれないが、湖底には60年前の切り株がそのまま点在。毎年水が貯まる関係で、腐らずその時の状態のままなのだそうだ。
で、肝心のその橋はと言うとこちら。
もちろんこの橋の存在を知っていたからこそ見に行ったんだけど、想像していたより大きく、圧巻だった。
さっきの林道(旧線路)を抜けるとこんな感じで向こう岸までの橋を見渡せる。
自分のレンズPentax FA 28-80mm F3.5-5.6で全貌を入れるには結構離れる必要があった。なんとなく人が写っているのが分かるだろうか。これで橋の大きさを比較してほしい。
実はこの橋、歴史的貴重なものでありながら、所有地にあるため遺産登録がされておらず、一切の修復処置がされていない。毎年湖に沈むために損傷は激しく、かつ以前起きた十勝沖地震の影響等もあり、在るがままに朽ちゆく姿を見守るしかないという状況で、現存の姿を見れるのは今年までではないかと言われている。
特に橋の中央部分の損傷箇所が激しく、手で触っただけでもボロボロと※崩れる。
※ガイドの許可を得て
ただ散りゆく様を見守るだけという幻の橋、タウシュベツ川橋梁。
その大きさもほころび方も実に浪漫がある。
最後かもしれない現存の姿、見に行けてよかった。
ちなみにこの橋を含め、旧士幌線の残骸を旧国鉄士幌線アーチ橋梁群といい、この橋以外は登録有形文化財となっている。(下記写真)
もしタウシュベツ川橋梁が崩れたとしても、その姿も美しいかもしれないし、それ以外のアーチ橋も見応え充分、かつ国道沿いにあって上の写真の様なものは簡単に見れるので、気になる人は行ってみてもいいと思う。