東京という場所は、歩いていると常にどこかしらで新しい建物を建てていて、そしてそれらは大体似たような建物で、流行りに身を任せて全く個性がないなぁなんて思ったりもするんだけど、おそらくそれらって(例えば今でいうとコンクリ打ちっぱなしやガラス張り等)その時代によるものだ。建造物の場合、すぐに消費されるものでもないので、その流行りがしばらくは残る。色んな場所に出来る近代建築物に個性を感じないって思ってるのは今の時代に生きて、今を切り取っているからなのかもしれない。
集合住宅のニーズが高まり、マンションという言葉が生まれたのが高度成長期の1960年代後半。その時代の集合住宅の顔となったのが秀和レジデンスという建物で、別名ビンテージマンションという呼ばれ方もしてて都内の一等地ばかりに建っている。
都内に住んでいて、秀和レジデンスを知らなくても南欧風の青い瓦屋根と白い塗り壁、鉄格子の建物は見たことがある人は多いと思う。おそらくそれらの大半は秀和シリーズなのだ。よく1階にショップが入っていたりもする。
ちなみにこの写真の秀和レジデンス、昭和47年製にもかかわらず4階2LDK/53.00㎡で5,480万円(今の価格)。築46年も経ってこの値段。まだまだ価値がある所が凄い。
これらの建物を筆頭になんだかんだ流行り建築にも個性が出ていて、今の建築物のどれも同じみたいでつまらないなーみたいな物足りなさも、長い目でみたらまるで地層のように楽しめる時が来るのかも。
そしてそんな目で見ていると、あちらこちらの建築物の表情が面白いなって思って、もっと色々知りたくなった。